兵庫県の医師が患者に刺された事件について現役看護師が思うこと

 

12月14日に、兵庫県明石市の県立がんセンターで、30代の男性医師が患者の女に胸を刃物で刺された事件がありました。

女は現場で取り押さえられ、現行犯逮捕されたそうです。

刺された男性医師は治療中だが、命に別状はないということでした。

 

この事件をニュースで見て、病院で働く医療者として怖いなぁと思いました。

1月にも名古屋で男性医師が外から入ってきた男性に首を刺される事件がありましたし、こういったニュースを聞くたびにいつかは自分も危ない目に合うんじゃないかと妄想します。

病院はいろんな人が入院しますし、いろんな人が出入りする場所なので何があってもおかしくありません。

 

刺したのは中国籍で無職の周麗華容疑者。取り調べに対して、「先生をナイフで刺しました。殺すつもりはありませんでした」と一部容疑を否認しているそうな。痰が絡んで処置してくれている医者を刺したらしい。

珊瑚
刺しといて殺すつもりはありませんでしたって怖いなぁ。なんで刺したのか謎すぎて本当に怖い。
うちの猫
ガクガクブルブル…

 

今回は病院で働く看護師としてこの事件に思うことを書き綴っていきたいと思います。

病院のセキュリティって基本ゆるい

今回の犯行は患者本人によるものですが、病院って外部からの侵入が簡単な施設です。

お見舞いや検査・診察に来る患者、職員や営業にくるMRなど様々な人が出入りします。

入院セクションは基本ナースステーションを通過して、病室に行くようにできていますが、ナースステーションに常駐している看護師は警備員ではないので不審者や危険な人間を止めることは難しいです。

もちろん常駐の警備員はいますが、大きい規模の病院でも数人がざら、監視カメラも精神科病棟以外ではプライバシーの問題もあり、設置はしていないところがほとんどです。

 

危険な患者

 今回の事件のように患者本人が医療者に危害を加えてことは表沙汰になっていないだけで、数多くあると思います。実際現場では医療者側に危害を加えてくる患者もいます。

認知症の患者が噛んできたり、殴ってきたり、唾をはきかけてきたり。

チンピラ調の人が怒鳴ったり、セクハラして来る患者もザラにいます。

 

病院って素直に入院生活を送れる患者さんばかりではなく、問題行動を起こしたり、元々認知症や精神疾患がある人、そもそも人間性的に危なかったり、常識にかけている人もいるので何が起きるかわからないのが現状です。

 

そういった環境の中で日々働いているんだなぁと思うと正直退散したくなりますね。

 

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防ぐ方法なさそう

医療者は基本的に無防備です。

護身術を身につけているわけでもない。

 

いくら病院のセキュリティを強化しても限度があります。

今回の事件の場合、入院時に荷物を検査、外部から荷物が何も持ち込まれないように管理するなどして、刃物の持ち込みができないようにしなければ防ぎようがありません。

そういった管理は精神科病院では行っていますが、それ以外の病棟ではコストや患者さんのプライバシーやQOLを配慮するために行うことはできません。というか、マンパワー的にもそこまで手が回らないので不可能ですね。

そもそも人を救う現場で刃物によって人が傷つけられるということがおかしい。

医療者が拳銃を常時携帯するしかないな。無理だけども

 

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医療者側にも患者を断る権利あったほうが…

今回の事件の詳細がわからないのでなんとも言えませんが、危険な行動に及ぶ人ってその前から前兆となる危険行動や発言が見られることがあります。

現在の医師法では「医師の応召義務」という決まりがあります。

医師法19条は「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。」と定めている。診療に応ずる義務、応招義務といわれる条文である。法律学上は、医師を通勤・旅行客や貨物輸送を引き受ける鉄道会社あるいは電気供給を行なう独占企業と同じ立場に置き、契約当事者の一方に契約締結を義務づけ・強制する条文の一つだと説明されている。そのうえで、この義務は、医師が医師の身分に基づき国家に対して負担する公法上の義務で、私法上患者に対して負担する義務ではないと解されている。

 

「医者は来るもの拒まずでよろしくやで」っていう決まりですね。

患者側には医者を選ぶ権利はあれども、医者側にはなし。

 

医療は患者さん主体のものなので、患者さん自らが決めて治療を進めて行くことは素晴らしいと思います。

 

ただ患者に問題行動があったり、危険行動に及ぶリスクがあるのに治療をしなければならないってそんなハイリスクな環境で働くことって厳しすぎませんか。

 

ただでさえ、医者ってすごい大変な職場環境で働いているのに、自分の身の危険を感じながら治療するのって、人としての尊厳蔑ろにしすぎじゃないかって思う。

 

医者の当直の時間長すぎだし、オンコール待機で休みの日も連絡がきたら病院に出勤。

 

医者はすごいストレスフルな環境で働いているんだよ。

 

看護師として働いていると医者の世界って過酷、というかなぜ社会はそれを良しとしているのだろうか…と思います。

医者が患者を救うなら、現場で大変な目にあっている医者は誰が救うのだろうか。

 

当たり前に医療が受けられる日本で確実にその負担を背負っているのは医者なのだから、もう少しなんとかならないかなぁと日々思います。

少なくとも今回のように医者が犠牲になるような事件は今後起きないことを願うばかりです。

 

被害者の男性医師の1日でも早い回復をお祈りします。

 

 

 

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珊瑚

アラサー男性看護師です。 趣味はロードバイク、カメラ、株 二歳のベンガル猫と暮らしています。

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